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平成27年度前期「授業改善メモ」のまとめ

 高等教育研究開発部会では、共通教育科目等で開講される授業で受講者による「授業アンケート」を実施し、その結果を各担当教員にフィードバックしています。そして、「授業アンケート」の結果等に基づいて、各担当教員から「授業改善メモ」が提出されていますが、この授業改善メモには教育改善のための有益なコメントや要望等が多数含まれていますので、ご提出いただいた「授業改善メモ」の内容を高等教育研究開発部会で取りまとめて公開しています。
 以下に、平成27年度前期に開講された授業の「授業改善メモ」のまとめを、ご紹介いたします。
 

1.授業改善に向けての試みや工夫

 各教員から様々な試み・工夫が挙げられた。特に、英語や情報科目については授業科目によりそれらの試み・工夫には分野独自の内容がみられたため、それらについては別項目として列記する。
  • 講義は極力客観的に進めたが、学生が小学校から高校の授業のように、他人事、起きた事項を覚えるのが勉強などと思わないように、絶えず考えて欲しいという視点で話をした。一定の成果はあったと自負している。この講義はどちらかといえば「知識伝授型」になるのだが、その中でも極力、主体的に考えるようにさせるために、講義中、「皆さんは、どう考えるか」、「あの判断をどう思うか」と質問を多く学生にぶつけた。
  • テキストに書いてあることの説明だけでなく、テキストの著者へ批判的検討を加えることも。学生の書いたフィードバックシートへのコメント。受講生の感想の紹介など。この講義の特徴は「知識伝授型」でもなく「生き方を考える型」でもなく「思索重視型、考える型」の講義なので、テキストに、その時間ごとの「問い」を私が書き、学生自身の思索の過程を書き込む「メモ」欄を設けた。
  • 知見・知識の説明だけでなく、その応用・活用方法も教えることで、知識の定着度および理解度を上昇させることを心掛けている。
  • 講義資料を全てPDF 形式でMoodle に掲載。資料は印刷せず、学生は個人のスマートフォンやタブレットで資料を閲覧する。ハードウェアの仕組みなど動画を用いることでイメージできる様工夫している。各学生自身の出席状況をMoodle にてそれぞれ学生が確認できる。出席カードの裏に授業の感想、質問等が書ける自由記述の欄を用意。学生が記述した授業の感想、質問等について、毎回Moodle にて回答を公開。
  • 時間割にオフィスアワーを組み込み、且つ、端末室も確保している。学生には「全員参加」と指導している。この時間、TA が学生の質問対応を行っている。多くの学生はこの時間に課題を仕上げている。

【英語】

  • 授業中はなるべく説明する時間を短く、グループワークやペアワークを取り入れて、学生が読み・書き・話し・聞くなどの活動する時間を長くとるよう心掛けた。
  • 毎回の小テストの実施・返却・評価を通じて、受講生の理解度を確認し、授業に対するモティベーションの向上を図っている。これは受講生にも好評であった。また練習問題等は指名によらず、自発的な挙手を求め、正誤を問わず評価することにより、能動的な授業参加を促している。これはQ6(発言や質問しやすい配慮が感じられたか?)およびQ7(授業の構成や進め方)対する高い評価にもつながっている。
  • オーソドックスですが、お手本の英文から、応用のきくフレームワークを抜き出し、それを自由英作に活かしてみることを予習で課すようにしています。テキストに語句の意味チェックのみの単純な設問がある場合は、語句を用いた具体的な自由英作文の応用例を準備し、クラスでも具体的な表現例を増やすよう心がけています。

【情報】

  • コンピュータリテラシーの演習だけでなく、それらの知識や技術を生かして、医学医療に関連したグループワーク課題を与え、講義の最終段階で、発表の機会を与えた。わかりやすい資料作成やプレゼンテーション技術など、グループワークを通じて、興味を持ちながら取り組めるようにした。
  • 「情報活用基礎」はパソコンを用いた実習を伴う科目である。授業ではTA 学生2名を配置し、学生からの質問等や個別指導などを行っている。成績評価は毎回の授業での評価や何回かの課題レポートで判定することになるが、数年前から試験期間に30分の筆記試験と60分の課題作成試験を実施しており、この試験結果を成績評価に含めている。この筆記試験+課題作成試験を行うようになってから、教員やTA 学生への質問も多くなり、学生の授業に対する取り組み方が意欲的になってきた。
 

2.アンケートに関する意見・要望等

 授業アンケートについては、様々な意見が出された。特に、中間アンケートについては、下記のとおり対照的な意見が出されており、今後の改善や方針について今一度検討する必要がある。中でも、毎回受講生からの意見やコメントを提出させている教員も一律に中間アンケートを実施すべきかについては検討課題である。
  • 中間アンケートにもとづき、修正をしているので、中間アンケートは今後も実施して欲しい。
  • 毎回、授業に対する感想その他を書かせて提出させている。中間アンケートを実施するメリットはなく、時間や手間の上でのロスになっている。
  • 中間アンケートは、効果的であったという記憶がないので、事務処理量を増やすだけで必要ないと思う。
 
 また、授業アンケートの実施方法については、記名での実施のほか、具体的な改善策を検討する材料として回答理由を記入できるようにすることについても提案があった。また、授業アンケート結果の教員への示し方や、収集したデータの分析・活用方法についても問題提起がなされた。これらについては、今後、教育センター高等教育研究開発部会で議論していきたい。
  • どの学生が何を考えているかがわかれば、今後の対策がとりやすいと思う。特に、中間アンケートに関しては記名をしてはどうか?
  • 中間アンケート・期末アンケートとも、質問項目について申し分ないが、「あまりそう思ない」、「そう思わない」と回答した場合、理由の明記を求めておけば、より一層授業改善につながると思う。
  • 授業改善メモを作成することは、自分の授業を振り返り、次回の改善を考えるのに役立つと思う。しかし、こうした成果を同じ分野の授業と共有していく取り組みも必要ではないか。もっと組織的に改善できるような取り組みも企画してもらえるとありがたい。
  • アンケートの回答と、学生の成績、授業態度(学生の自己申告でない)の関係を知る事は出来ないでしょうか。
  • アンケートにて学生の満足度を問題にしているが、成績と満足度に相関があるのか?疑問を感じた。難しい授業をすると人気が下がり、満足度も下がる。しかし、大学の授業到達目標を下げることにもなり熟慮が必要であると感じた。今後、アンケートの改善メモには平均点と不合格者の数字を一緒につけることで学生が望む授業が見えてくるのではないだろうか?

 

3.その他

 上記以外に示されたコメントの中から、非常に重要な問題を提起したものを以下に示す。この問題は共通教育に限られたものではない。指摘を真摯に受け止め、鹿児島大学としての対応を早急に検討する必要がある。
 それは、高校までの履修状況と大学での必修科目の齟齬に起因する問題であり、同一学部学科内でも履修状況・学力に大きな差があることが教育上大きな課題となっている。共通教育においては、英語と同様に習熟度別クラス編成を行うことで対応することも考えられるが、そうした部分的な対応にとどまらず、大学全体として学力不足問題に対する適切な支援の在り方を模索することが求められている。
 
(編集:高等教育研究開発部 伊藤 奈賀子)
 
 
 
掲載日:平成28年2月29日 編 集:学生部教務課教育推進係 鹿児島大学教育センター高等教育研究開発部会  

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